大阪市北区天神橋( 南森町・扇町・天満 )の心療内科・精神科・メンタルクリニック「かわぐちクリニック」
躁うつ病とは「うつ状態」と「躁状態」を繰り返す疾患で、気分障害の一種です。
「うつ状態」とは、心的エネルギーが低下し、気分の落ち込み、意欲が出ない、根気がない、眠れない等のために生活に支障をきたす状態をいいます。
「躁状態」では、心的エネルギーが過剰となります。そのため気分が高揚して気持ちが大きくなることで社会生活や人間関係に支障が出てくることがあります。
「うつ状態」と「躁状態」は気分の安定した時期をはさみながら、交互に出現することもありますし、「うつ状態」あるいは「躁状態」が続けて出現することもあります。
躁うつ病とうつ病の鑑別は難しい問題です。うつ病の治療の経過中に「躁状態」が出現し、初めて躁うつ病(双極性障害)が判明することが少なからずあります。「躁うつ病」の診断には「躁状態」の確認が必要です。患者さんの中には過去に「軽い躁状態」を経験していて、そのことを「ちょっといつもより気分が良くて調子がいい時期があった」などと話してくれる方がいます。このような情報は躁うつ病を疑うきっかけになり有用です。些細なことでも専門医に伝えておくことがよいでしょう。
躁うつ病には気分安定薬と呼ばれる薬が有効で、気分の波をコントロールしながら社会復帰ができる疾患です。
病気になりやすい体質(素因)に環境の変化などのストレスが加わることによって発症すると考えられていますが、はっきりした原因はまだ解明されていません。
また、躁うつ病になりやすい性格というものはなく、誰もがかかる可能性のある疾患です。
躁状態では以下のような症状がみられます。
うつ状態は、気分の落ち込みや気力が出ないなど心的エネルギーが低下した状態です。何をするのもおっくうで家事や仕事が十分にできなかったり、趣味などを楽しめない、喜怒哀楽の感情が出てこないことがあります。
躁うつ病には気分安定薬と呼ばれる薬が有効です。気分安定薬には、炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギンなどがあります。これらの薬により躁やうつといった気分の波を安定させることができます。薬の種類によって効果や副作用が異なるため、専門医の指導に従って治療を続けることが大切です。また「うつ状態」に対しては、抗うつ薬を使用することもあります。
また、「躁うつ病(双極性障害)」という疾患について、患者さんやご家族が理解を深めることも大切です。躁うつ病では「うつ状態」や「躁状態」の予防が重要です。疾患の性質や再発のきっかけになりやすいストレス、再発時の初期症状を患者さん自身が理解しておくことが再発予防につながります。専門医に相談しながら治療に取り組むことをお勧めします。